ワシントンは自ら油染みた墓穴を掘ったのだろうか? William Engdahl
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-0cda.html 2014年11月 7日 (金) より本文(ほんの少し改訳)
ワシントンは自ら油染みた墓穴を掘ったのだろうか? William Engdahl New Eatern Outlook 2014年11月6日

今やニューヨーク・タイムズさえもが、石油の富みで慢心したベドウィンの親友、サウジアラビアを利用して、世界の石油価格を崩壊させ、ロシアを破産させようというオバマ政権の秘密戦略についてあからさまに語っている。ところがバラク・オバマ周辺のネオコン・ロシア嫌い連中や、冷戦タカ派希望者どもは、自ら油染みた墓穴を掘ったのかもしれない様子が見え始めている。前の記事で書いた様に、連中の石油価格戦略は基本的に愚劣だ。あらゆる影響を考慮に入れていないがゆえに愚劣なのだ。価格が急落している中、アメリカ石油生産に対する影響を見てみよう。
9月以来のアメリカ石油価格の崩壊は、近いうちに、アメリカ・シェール油バブルを崩壊させ、アメリカ合州国が世界最大の産油国として、サウジアラビアとロシアを越えるという幻想をはぎ取るだろう。アメリカ・エネルギー省が発表したエセ資源予測によって醸成されたこの幻想が、オバマ地政学戦略の基軸だ。
今、過去数年間のアメリカ国内石油生産増加の背後にあった金融ねずみ講は、架空の煙雲中に霧消しようとしている。シェール石油生産の基本的な経済学は、ジョン・ケリーとサウジアラビアのアブゥドゥッラー国王が、9月始めに紅海の近くで秘密会談をし、対ロシアのサウジアラビア石油価格戦争に合意して以来ぼろぼろになり、石油価格は23%も下落した。
ゴールドマン・サックスの、ウオール街金融専門家が、WTI(米国産標準油種=ウエスト・テキサス・インターミディエイト)と呼ばれる標準価格でのアメリカ石油価格が、一バレル、70ドルに低下するという2015年予測をだしたばかりだ。2013年9月、WTIは一バレル、106ドル以上だった。つまりわずか数ヶ月で、34%という急激な価格崩壊ということになる。それが一体なぜアメリカ・シェール生産にとって深刻なのだろう? なぜなら、通常の原油鉱床と違い、シェール油、業界で言うタイト・オイルは劇的速度で枯渇するのだ。
カナダの地質調査で30年の経験を持つカナダ人石油地質学者デービッド・ヒューズ[David Hughes]が、初めて公表されたアメリカ・シェール油の既存の生産データを用いて発表した包括的新分析(シェール油というのはごく最近のものだ)は、アメリカ・シェール油井石油量の劇的な減少率を示している。
シェール油盆地7つの三年間の油井平均減退速度は、驚くべき60-パーセントから、91パーセントにわたっている。つまり、三年間で、油井から得られる石油量がこの比率で減少するのだ。これはつまり、推計究極回収量の43パーセントから、64パーセントが、油井開発最初の三年間でとりだされるのだ。シェール・ガス盆地の7つのうち、4つは既に、油井の生産性という意味で、末期的衰退状態にある。ヘインズビル・シェール、フェイエットビル・シェール、ウッドフォード・シェールと、バーネット・シェールだ。

石油が、これら最高のシェール油地帯で、60%から91%も減少するということは、総石油量を増加させるにはもちろん、石油生産量を維持する為にだけでも、石油会社はより深く掘削しなければならないことを意味する。つまり、掘削業者は、ずっと深く掘削する為に、より大量の資金を費やさねばならないのだ。ヒューズによれば、オバマ政権エネルギー省は、アメリカ・シェール油神話を持ち上げる企業が提供したバラ色の予測数値を、無批判的に受けいれた。彼の計算は、将来のアメリカ・シェール油生産は、エネルギー省の2040年予測のわずか10%であることを示している。
ヒューズは、現在のシェール油会社の絶えがたいジレンマを“二十日鼠の掘削踏み車”にたとえている。生産水準を維持する為にだけでも、彼等は益々多くの井戸を掘削しなければならない。石油会社は、生産を最大化する為、最も有望なシェール油地帯、いわゆる“スイート・スポット”を既に開発してしまった。今や生産が終末的に減衰し始めたので、石油会社は、石油やガス産出量がそれほど豊富でない場所で掘削を始めざるを得ない。“もしアメリカ石油と天然ガス生産の未来が、アメリカの深いシェール鉱床資源に依存するのであれば…我々は大きな失望を味わうことになる。”と彼は言い足した。
石油価格の崩壊
ヒューズが語っているのは、ケリー-アブドゥッラー・サウジ石油価格戦争が始まる前シェール石油の状態 。現在、アメリカWTI石油価格は、六週間で、破滅的な25%の下落で、下落し続けている。ロシアやイラン等の他の石油生産大国は、国家予算の為に収入を増大すべく、世界市場を、連中の石油で溢れさせており、世界石油供給過剰を激化させている。これが更に価格を押し下げる。
アメリカにおける過去五年間の、シェール石油とガスの大当たりは、連邦準備金制度理事会のゼロ金利と、貪欲なウオール街の企業やファンドによる膨大な投機的投資を基盤に作り上げられていた。油井は超高速で枯渇するので、石油市場の価格が崩壊すれば、シェール石油掘削業者に貸している経済そのものも崩壊する。資金は突然消滅し、負債で身動きが取れない石油会社で、本当の問題が始まる。
カーター大統領のエネルギー政策局元局長で、現在は、最も重要な新シェール油地域の一つ、ノース・ダコタ州、バッケン・シェールで、エネルギー・コンサルタントをしているフィリップ・フェアレーガー[Philip Verleger]によれば、一バレル、70ドルの石油価格では、7月の一日110万バレルから、2月の、一日800,000バレルにまで、生産高が28パーセント減少しかねない。“価格が下落すれば、キャッシュフローは減り、掘削を継続する為に、こうした連中に信用貸しされていた資金はすっかり枯渇し、掘削市場は低迷することになる”と、フェアレーガーは言う。
神話とウソと石油戦争
シェール石油バブルの終焉は、アメリカの石油地政学に対し、壊滅的打撃を与えることになる。現在、アメリカ石油生産の推計55%と、過去数年間のあらゆる生産増加は、シェール油の水圧破砕によるものだ。石油価格が低下する中、経済リスクゆえの融資停止で、シェール油掘削業者は、一定の石油生産を維持する為だけでも必要な新規掘削中止も余儀なくされる。
中東における攻撃的なアメリカ外交政策、シリアのアル-アサド政権に対する戦争、対イランの強硬な石油経済制裁、ロシア石油プロジェクトに対する経済制裁、イラク石油地帯でのISIS容認、リビア石油経済を安定させる為の介入を拒否し、混乱を我慢しているのも、全てアメリカが再度世界の石油王となり、ハイリスクな石油地政学を演じる余裕ができるのだという、ワシントンのうぬぼれた見解を前提としている。
CIA、国防省、国務省やホワイト・ハウスに対し、エネルギー問題で助言に責任を持っている公式の政府機関、アメリカ・エネルギー省は、神話とウソに基づいて、アメリカ・シェール石油の成長予想を発表していたのだ。そこで、オバマ・ホワイト・ハウスはシェール油のバラ色の未来に関するこの同じ神話とウソに基づいて、石油戦争を開始したのだ。
当時のオバマ国家安全保障顧問トム・ドニロン[Tom Donilon]演説は、この油ぎった傲慢さの典型例だ(引用注:Bilderbergerで、現在CFRだそうです)。


2013年4月、コロンビア大学での演説で、当時オバマの国家安全保障顧問ドニロンは公的にこう語った。“アメリカの新たなエネルギー体制により、我々はより強い立場で関与することが可能になる。アメリカ・エネルギー供給の増加は、世界的な供給の途絶や価格ショックに対する、我が国の脆弱性を下げるのに役立つクッションとして機能する。我が国の国際安全保障目標を追求し、実施する上で、我々がより強い立場に立つことを可能にする。”
今後三ヶ月ほど、アメリカ・シェール石油分野は戦略的なものとなろう。
F. William Engdahl(ウィリアム・イングドール)は、戦略的危機コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学の世界的ベ ストセラー本の著者。本記事は、オンライン雑誌“New Eastern Outlook”独占。
記事原文
Has Washington Just Shot Itself in the Oily Foot?
http://journal-neo.org/2014/11/06/has-washington-just-shot-itself-in-the-oily-foot/
関連
ボヘミアン・クラブ
http://satehate.exblog.jp/16405803/
バンクオブアメリカの予報: 3つの壁画
http://satehate.exblog.jp/16278866/


映画 「2012」の隠された象徴的な意味 By VC (完訳版) 1
http://satehate.exblog.jp/17977702/



映画 「2012」の隠された象徴的な意味 By VC (完訳版) 2
http://satehate.exblog.jp/17977850/



悪魔主義銀行家の陰謀 by Henry Makow Ph.D.
http://satehate.exblog.jp/11701619
イングランドのユダヤ人貴族社会 by Henry Makow Ph.D.
http://satehate.exblog.jp/11955243
英国のユダヤ人貴族(2) by Henry Makow Ph.D.
http://satehate.exblog.jp/15801911/
「ユダヤ人の」陰謀は英帝国主義である by Henry Makow Ph.D.
http://satehate.exblog.jp/11972776
ウィリアム&ケイト: 大隠蔽 by Grace Powers
http://satehate.exblog.jp/16314762/


勝者が歴史の本を書く:無視された英帝国によるホロコースト by David Rothscum
http://satehate.exblog.jp/15354976/


その秘密結社の目的は、この惑星の残りの多くを英国が植民地化するために準備することであった。
彼は書いた:
「一つの秘密結社の確立、推進、そして発展にとって、その真の狙い・目的は、世界中での英国の支配の拡張のためにあるだろう。それは、連合王国からの移民のシステムとすべての土地の英臣民による植民地化を完成させるものである。それらの土地では、生活の手段は、エネルギー、労働、そして企業によって達成できる。そしてそれは、とりわけ、アフリカ大陸全土、聖地、ユーフラテス川の渓谷、キプロス・カンディア諸島、南米全体、以前は大英帝国によって所有されていなかった太平洋諸島、マレー群島、中国、日本の海岸線(沿岸)の英植民者たちによる占領、英帝国の統合された一部としての米合衆国の根本的な回復、帝国の支離滅裂なメンバーたちを結合溶接することに気を配るだろう帝国議会での植民地代表のシステム*1の創立、そして最終的に、戦争を不可能にし、そして人類*2の最善の利益を促進するような偉大な一つの権力の樹立によって達成できる。」 (訳注:*1「国連」ですか? *2この「人類」とは誰のことでしょうか?)
++
というわけで、そろそろピノキオもちょっとは成長できるというわけではないでしょうカネ。
日ロ首脳 プーチン大統領の訪日準備開始で一致 11月10日 4時16分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141110/t10013073431000.html

中国を訪れている安倍総理大臣は日本時間の9日夜、ロシアのプーチン大統領と会談し、北方領土問題の解決に向けた平和条約交渉の再開を確認するとともに、来年の適切な時期にプーチン大統領の日本訪問を実現するための準備を開始することで一致しました。
APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するため、中国・北京を訪れている安倍総理大臣は、日本時間の9日夜、およそ1時間半にわたってロシアのプーチン大統領と会談しました。
会談の冒頭、プーチン大統領は、「最近の数年間、経済、政治などの分野においてロシアと日本との関係がかなり成功を遂げてきた。政治分野ということばを使うときには、平和条約の締結に関する話し合いの再開ということも意味している。本日は2国間の連携に関して意見交換したい」と述べました。
これに対し安倍総理大臣は、「第1次安倍内閣の時から通算すると、これがプーチン大統領、ウラジーミルとは10回目の首脳会談になる。きょうはしっかりと時間を取って平和条約交渉、また国際情勢について話をしたい」と応じました。
そして両首脳は、ウクライナ情勢を受けて停滞している北方領土問題の解決に向けた平和条約交渉について、去年4月の共同声明に基づいて双方が受け入れ可能な解決策を作成するため再開することを確認しました。
また両首脳は、プーチン大統領の日本訪問について、当初目指していたことし秋を見送り、来年の適切な時期に実現するための準備を具体的に開始することで一致し、大統領の日本訪問に向けて外務次官級の協議を実施するとともに、岸田外務大臣のロシア訪問も引き続き検討していくことを確認しました。
さらに安倍総理大臣は、ウクライナ情勢について、東部での分離派による選挙が事態を複雑化させているとして、停戦合意の完全履行と事態の改善に向けて、ロシアが建設的な役割を果たすよう強く求めました。
http://agnes2001.blog.fc2.com/blog-entry-2834.html
ウクライナ上空でMH17を撃墜したのは戦闘機だったことを示す衛星写真をロシアのCh 1が公表 2014.11.15
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201411150000/
7月17日にウクライナの戦闘地域上空で撃墜されたマレーシア航空17便に関する興味深い衛星写真をロシアの「チャンネル1」が明らかにした。「ジョージ・ビルト」と名乗る人物からロシア技術者組合のイワン・アンドリエフスキー第1副委員長へ送られてきたようだが、その写真には旅客機と戦闘機と思われる航空機が写っていて、戦闘機がミサイルを発射した痕跡と思える白い線も見える。
アンドリエフスキーはMH17の撃墜に関する分析を発表(英語訳は9月)、その分析に同意するというEメールに写真は添付されていたという。この衛星写真はイギリスかアメリカのものだとロシア側は推測しているようだが、ロシア軍はアメリカのスパイ衛星が撃墜時に上空にいたと主張している。状況証拠と合致しているだけに偽造写真の可能性もあるのだが、アンドリエフスキーによると、そうした痕跡は発見できなかったという。
アンドリエフスキーは分析の中でブーク・ミサイル・システムが使われたとは考えにくいとしたうえで、残骸に残された弾痕と思われる穴の状況も考慮、戦闘機のスホイ15かミグ29が空対空ミサイルと銃撃で劇津視撃墜させた可能性が高いとしていた。彼によると、スホイ15とミグ29はレーダー上、同じように表示されるのだという。
実は、西側が主張するようにブークが使われたとすると、キエフ軍が発射したか、ロシア軍が撃ったのか、ロシアからシステムが持ち込まれたとしか考えられない。キエフ政権のビタリー・ヤレマ検事総長は軍からの情報として、反キエフ軍がこうしたミサイルを奪取したことはないと発表しているからだが、ロシアの関与を西側は否定している。そうなると、新ロシア(ドネツクとルガンスクの統合人民共和国)軍に撃墜された可能性は限りなくゼロに近づいてしまう。
これはアンドリエフスキーも指摘していることだが、ブークはミサイルを発射する際に大きな音を出し、強烈な光を発する。しかも軌道に沿って白い煙を残していく。つまり遠くからでも確認でき、住民は気づくだろう。携帯電話が普及している現在なら、誰かが映像を残しているはずだが、そうしたことはない。
それどころか、7月下旬にミサイルの発射地点とされた地域を調査したBBCロシアの取材チームに対し、旅客機の近くを戦闘機が飛んでいたと証言、キエフ軍の航空機は民間機の影に隠れながら爆撃しているという話も映像に記録している。ミサイルの発射地点とされた地域を調査したところ、ウクライナの治安機関SBUが主張する発射現場から実際にミサイルが発射されていないことを確認したとも報告している。
これはアメリカやキエフにとって都合の悪い情報。BBCはこの映像をすぐに削除したようだが、今回の衛星写真についての報道は一応、している。ただ、これまで反キエフ軍、あるいはロシア軍が撃墜したと宣伝してきたこともあり、「偽造説」を紹介しているが、その根拠は示していない。反キエフ軍やロシア軍を非難するときに根拠、証拠の類いを手提示してこなかったが、同じことの繰り返しだ。(この撃墜に関して本ブログでも何度か取り上げたが、この出来事についてまとめた記事が一水会の機関紙「月刊レコンキスタ」の「平成26年9月1日」付け紙面に掲載されている。)
今回の衛星写真公表はオーストラリアでG20の会議開催にタイミングを合わせている。そのオーストラリアの首相、トニー・アボットはMH17撃墜に関し、ロシアのウラジミル・プーチン大統領を繰り返し非難している。1975年にアメリカ政府はイギリス女王エリザベス2世の総督、ジョン・カーを使ってゴフ・ウィットラム首相を解任したが、その後のオーストラリア政府はアメリカの完全な操り人形。その役割をアボットは必死に果たそうとしたのだろう。
そうしたオーストラリア首相はともかく、G20に参加する国々の首脳に対しては少なからぬ影響を今回の衛星写真は及ぼす可能性は小さくない。嘘を取り繕うために嘘をつくという悪循環は自らの首を絞めることにもなる。すでにドル離れが世界的に起こりはじめている現在、アメリカにとっては嫌な流れだ。
ワシントンは自ら油染みた墓穴を掘ったのだろうか? William Engdahl New Eatern Outlook 2014年11月6日

今やニューヨーク・タイムズさえもが、石油の富みで慢心したベドウィンの親友、サウジアラビアを利用して、世界の石油価格を崩壊させ、ロシアを破産させようというオバマ政権の秘密戦略についてあからさまに語っている。ところがバラク・オバマ周辺のネオコン・ロシア嫌い連中や、冷戦タカ派希望者どもは、自ら油染みた墓穴を掘ったのかもしれない様子が見え始めている。前の記事で書いた様に、連中の石油価格戦略は基本的に愚劣だ。あらゆる影響を考慮に入れていないがゆえに愚劣なのだ。価格が急落している中、アメリカ石油生産に対する影響を見てみよう。
9月以来のアメリカ石油価格の崩壊は、近いうちに、アメリカ・シェール油バブルを崩壊させ、アメリカ合州国が世界最大の産油国として、サウジアラビアとロシアを越えるという幻想をはぎ取るだろう。アメリカ・エネルギー省が発表したエセ資源予測によって醸成されたこの幻想が、オバマ地政学戦略の基軸だ。
今、過去数年間のアメリカ国内石油生産増加の背後にあった金融ねずみ講は、架空の煙雲中に霧消しようとしている。シェール石油生産の基本的な経済学は、ジョン・ケリーとサウジアラビアのアブゥドゥッラー国王が、9月始めに紅海の近くで秘密会談をし、対ロシアのサウジアラビア石油価格戦争に合意して以来ぼろぼろになり、石油価格は23%も下落した。
ゴールドマン・サックスの、ウオール街金融専門家が、WTI(米国産標準油種=ウエスト・テキサス・インターミディエイト)と呼ばれる標準価格でのアメリカ石油価格が、一バレル、70ドルに低下するという2015年予測をだしたばかりだ。2013年9月、WTIは一バレル、106ドル以上だった。つまりわずか数ヶ月で、34%という急激な価格崩壊ということになる。それが一体なぜアメリカ・シェール生産にとって深刻なのだろう? なぜなら、通常の原油鉱床と違い、シェール油、業界で言うタイト・オイルは劇的速度で枯渇するのだ。
カナダの地質調査で30年の経験を持つカナダ人石油地質学者デービッド・ヒューズ[David Hughes]が、初めて公表されたアメリカ・シェール油の既存の生産データを用いて発表した包括的新分析(シェール油というのはごく最近のものだ)は、アメリカ・シェール油井石油量の劇的な減少率を示している。
シェール油盆地7つの三年間の油井平均減退速度は、驚くべき60-パーセントから、91パーセントにわたっている。つまり、三年間で、油井から得られる石油量がこの比率で減少するのだ。これはつまり、推計究極回収量の43パーセントから、64パーセントが、油井開発最初の三年間でとりだされるのだ。シェール・ガス盆地の7つのうち、4つは既に、油井の生産性という意味で、末期的衰退状態にある。ヘインズビル・シェール、フェイエットビル・シェール、ウッドフォード・シェールと、バーネット・シェールだ。

石油が、これら最高のシェール油地帯で、60%から91%も減少するということは、総石油量を増加させるにはもちろん、石油生産量を維持する為にだけでも、石油会社はより深く掘削しなければならないことを意味する。つまり、掘削業者は、ずっと深く掘削する為に、より大量の資金を費やさねばならないのだ。ヒューズによれば、オバマ政権エネルギー省は、アメリカ・シェール油神話を持ち上げる企業が提供したバラ色の予測数値を、無批判的に受けいれた。彼の計算は、将来のアメリカ・シェール油生産は、エネルギー省の2040年予測のわずか10%であることを示している。
ヒューズは、現在のシェール油会社の絶えがたいジレンマを“二十日鼠の掘削踏み車”にたとえている。生産水準を維持する為にだけでも、彼等は益々多くの井戸を掘削しなければならない。石油会社は、生産を最大化する為、最も有望なシェール油地帯、いわゆる“スイート・スポット”を既に開発してしまった。今や生産が終末的に減衰し始めたので、石油会社は、石油やガス産出量がそれほど豊富でない場所で掘削を始めざるを得ない。“もしアメリカ石油と天然ガス生産の未来が、アメリカの深いシェール鉱床資源に依存するのであれば…我々は大きな失望を味わうことになる。”と彼は言い足した。
石油価格の崩壊
ヒューズが語っているのは、ケリー-アブドゥッラー・サウジ石油価格戦争が始まる前シェール石油の状態 。現在、アメリカWTI石油価格は、六週間で、破滅的な25%の下落で、下落し続けている。ロシアやイラン等の他の石油生産大国は、国家予算の為に収入を増大すべく、世界市場を、連中の石油で溢れさせており、世界石油供給過剰を激化させている。これが更に価格を押し下げる。
アメリカにおける過去五年間の、シェール石油とガスの大当たりは、連邦準備金制度理事会のゼロ金利と、貪欲なウオール街の企業やファンドによる膨大な投機的投資を基盤に作り上げられていた。油井は超高速で枯渇するので、石油市場の価格が崩壊すれば、シェール石油掘削業者に貸している経済そのものも崩壊する。資金は突然消滅し、負債で身動きが取れない石油会社で、本当の問題が始まる。
カーター大統領のエネルギー政策局元局長で、現在は、最も重要な新シェール油地域の一つ、ノース・ダコタ州、バッケン・シェールで、エネルギー・コンサルタントをしているフィリップ・フェアレーガー[Philip Verleger]によれば、一バレル、70ドルの石油価格では、7月の一日110万バレルから、2月の、一日800,000バレルにまで、生産高が28パーセント減少しかねない。“価格が下落すれば、キャッシュフローは減り、掘削を継続する為に、こうした連中に信用貸しされていた資金はすっかり枯渇し、掘削市場は低迷することになる”と、フェアレーガーは言う。
神話とウソと石油戦争
シェール石油バブルの終焉は、アメリカの石油地政学に対し、壊滅的打撃を与えることになる。現在、アメリカ石油生産の推計55%と、過去数年間のあらゆる生産増加は、シェール油の水圧破砕によるものだ。石油価格が低下する中、経済リスクゆえの融資停止で、シェール油掘削業者は、一定の石油生産を維持する為だけでも必要な新規掘削中止も余儀なくされる。
中東における攻撃的なアメリカ外交政策、シリアのアル-アサド政権に対する戦争、対イランの強硬な石油経済制裁、ロシア石油プロジェクトに対する経済制裁、イラク石油地帯でのISIS容認、リビア石油経済を安定させる為の介入を拒否し、混乱を我慢しているのも、全てアメリカが再度世界の石油王となり、ハイリスクな石油地政学を演じる余裕ができるのだという、ワシントンのうぬぼれた見解を前提としている。
CIA、国防省、国務省やホワイト・ハウスに対し、エネルギー問題で助言に責任を持っている公式の政府機関、アメリカ・エネルギー省は、神話とウソに基づいて、アメリカ・シェール石油の成長予想を発表していたのだ。そこで、オバマ・ホワイト・ハウスはシェール油のバラ色の未来に関するこの同じ神話とウソに基づいて、石油戦争を開始したのだ。
当時のオバマ国家安全保障顧問トム・ドニロン[Tom Donilon]演説は、この油ぎった傲慢さの典型例だ(引用注:Bilderbergerで、現在CFRだそうです)。


2013年4月、コロンビア大学での演説で、当時オバマの国家安全保障顧問ドニロンは公的にこう語った。“アメリカの新たなエネルギー体制により、我々はより強い立場で関与することが可能になる。アメリカ・エネルギー供給の増加は、世界的な供給の途絶や価格ショックに対する、我が国の脆弱性を下げるのに役立つクッションとして機能する。我が国の国際安全保障目標を追求し、実施する上で、我々がより強い立場に立つことを可能にする。”
今後三ヶ月ほど、アメリカ・シェール石油分野は戦略的なものとなろう。
F. William Engdahl(ウィリアム・イングドール)は、戦略的危機コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学の世界的ベ ストセラー本の著者。本記事は、オンライン雑誌“New Eastern Outlook”独占。
記事原文
Has Washington Just Shot Itself in the Oily Foot?
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関連
ボヘミアン・クラブ
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映画 「2012」の隠された象徴的な意味 By VC (完訳版) 1
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映画 「2012」の隠された象徴的な意味 By VC (完訳版) 2
http://satehate.exblog.jp/17977850/



悪魔主義銀行家の陰謀 by Henry Makow Ph.D.
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イングランドのユダヤ人貴族社会 by Henry Makow Ph.D.
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英国のユダヤ人貴族(2) by Henry Makow Ph.D.
http://satehate.exblog.jp/15801911/
「ユダヤ人の」陰謀は英帝国主義である by Henry Makow Ph.D.
http://satehate.exblog.jp/11972776
ウィリアム&ケイト: 大隠蔽 by Grace Powers
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勝者が歴史の本を書く:無視された英帝国によるホロコースト by David Rothscum
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その秘密結社の目的は、この惑星の残りの多くを英国が植民地化するために準備することであった。
彼は書いた:
「一つの秘密結社の確立、推進、そして発展にとって、その真の狙い・目的は、世界中での英国の支配の拡張のためにあるだろう。それは、連合王国からの移民のシステムとすべての土地の英臣民による植民地化を完成させるものである。それらの土地では、生活の手段は、エネルギー、労働、そして企業によって達成できる。そしてそれは、とりわけ、アフリカ大陸全土、聖地、ユーフラテス川の渓谷、キプロス・カンディア諸島、南米全体、以前は大英帝国によって所有されていなかった太平洋諸島、マレー群島、中国、日本の海岸線(沿岸)の英植民者たちによる占領、英帝国の統合された一部としての米合衆国の根本的な回復、帝国の支離滅裂なメンバーたちを結合溶接することに気を配るだろう帝国議会での植民地代表のシステム*1の創立、そして最終的に、戦争を不可能にし、そして人類*2の最善の利益を促進するような偉大な一つの権力の樹立によって達成できる。」 (訳注:*1「国連」ですか? *2この「人類」とは誰のことでしょうか?)
++
というわけで、そろそろピノキオもちょっとは成長できるというわけではないでしょうカネ。
日ロ首脳 プーチン大統領の訪日準備開始で一致 11月10日 4時16分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141110/t10013073431000.html

中国を訪れている安倍総理大臣は日本時間の9日夜、ロシアのプーチン大統領と会談し、北方領土問題の解決に向けた平和条約交渉の再開を確認するとともに、来年の適切な時期にプーチン大統領の日本訪問を実現するための準備を開始することで一致しました。
APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するため、中国・北京を訪れている安倍総理大臣は、日本時間の9日夜、およそ1時間半にわたってロシアのプーチン大統領と会談しました。
会談の冒頭、プーチン大統領は、「最近の数年間、経済、政治などの分野においてロシアと日本との関係がかなり成功を遂げてきた。政治分野ということばを使うときには、平和条約の締結に関する話し合いの再開ということも意味している。本日は2国間の連携に関して意見交換したい」と述べました。
これに対し安倍総理大臣は、「第1次安倍内閣の時から通算すると、これがプーチン大統領、ウラジーミルとは10回目の首脳会談になる。きょうはしっかりと時間を取って平和条約交渉、また国際情勢について話をしたい」と応じました。
そして両首脳は、ウクライナ情勢を受けて停滞している北方領土問題の解決に向けた平和条約交渉について、去年4月の共同声明に基づいて双方が受け入れ可能な解決策を作成するため再開することを確認しました。
また両首脳は、プーチン大統領の日本訪問について、当初目指していたことし秋を見送り、来年の適切な時期に実現するための準備を具体的に開始することで一致し、大統領の日本訪問に向けて外務次官級の協議を実施するとともに、岸田外務大臣のロシア訪問も引き続き検討していくことを確認しました。
さらに安倍総理大臣は、ウクライナ情勢について、東部での分離派による選挙が事態を複雑化させているとして、停戦合意の完全履行と事態の改善に向けて、ロシアが建設的な役割を果たすよう強く求めました。
http://agnes2001.blog.fc2.com/blog-entry-2834.html

ウクライナ上空でMH17を撃墜したのは戦闘機だったことを示す衛星写真をロシアのCh 1が公表 2014.11.15
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201411150000/
7月17日にウクライナの戦闘地域上空で撃墜されたマレーシア航空17便に関する興味深い衛星写真をロシアの「チャンネル1」が明らかにした。「ジョージ・ビルト」と名乗る人物からロシア技術者組合のイワン・アンドリエフスキー第1副委員長へ送られてきたようだが、その写真には旅客機と戦闘機と思われる航空機が写っていて、戦闘機がミサイルを発射した痕跡と思える白い線も見える。
アンドリエフスキーはMH17の撃墜に関する分析を発表(英語訳は9月)、その分析に同意するというEメールに写真は添付されていたという。この衛星写真はイギリスかアメリカのものだとロシア側は推測しているようだが、ロシア軍はアメリカのスパイ衛星が撃墜時に上空にいたと主張している。状況証拠と合致しているだけに偽造写真の可能性もあるのだが、アンドリエフスキーによると、そうした痕跡は発見できなかったという。
アンドリエフスキーは分析の中でブーク・ミサイル・システムが使われたとは考えにくいとしたうえで、残骸に残された弾痕と思われる穴の状況も考慮、戦闘機のスホイ15かミグ29が空対空ミサイルと銃撃で
実は、西側が主張するようにブークが使われたとすると、キエフ軍が発射したか、ロシア軍が撃ったのか、ロシアからシステムが持ち込まれたとしか考えられない。キエフ政権のビタリー・ヤレマ検事総長は軍からの情報として、反キエフ軍がこうしたミサイルを奪取したことはないと発表しているからだが、ロシアの関与を西側は否定している。そうなると、新ロシア(ドネツクとルガンスクの統合人民共和国)軍に撃墜された可能性は限りなくゼロに近づいてしまう。
これはアンドリエフスキーも指摘していることだが、ブークはミサイルを発射する際に大きな音を出し、強烈な光を発する。しかも軌道に沿って白い煙を残していく。つまり遠くからでも確認でき、住民は気づくだろう。携帯電話が普及している現在なら、誰かが映像を残しているはずだが、そうしたことはない。
それどころか、7月下旬にミサイルの発射地点とされた地域を調査したBBCロシアの取材チームに対し、旅客機の近くを戦闘機が飛んでいたと証言、キエフ軍の航空機は民間機の影に隠れながら爆撃しているという話も映像に記録している。ミサイルの発射地点とされた地域を調査したところ、ウクライナの治安機関SBUが主張する発射現場から実際にミサイルが発射されていないことを確認したとも報告している。
これはアメリカやキエフにとって都合の悪い情報。BBCはこの映像をすぐに削除したようだが、今回の衛星写真についての報道は一応、している。ただ、これまで反キエフ軍、あるいはロシア軍が撃墜したと宣伝してきたこともあり、「偽造説」を紹介しているが、その根拠は示していない。反キエフ軍やロシア軍を非難するときに根拠、証拠の類いを手提示してこなかったが、同じことの繰り返しだ。(この撃墜に関して本ブログでも何度か取り上げたが、この出来事についてまとめた記事が一水会の機関紙「月刊レコンキスタ」の「平成26年9月1日」付け紙面に掲載されている。)
今回の衛星写真公表はオーストラリアでG20の会議開催にタイミングを合わせている。そのオーストラリアの首相、トニー・アボットはMH17撃墜に関し、ロシアのウラジミル・プーチン大統領を繰り返し非難している。1975年にアメリカ政府はイギリス女王エリザベス2世の総督、ジョン・カーを使ってゴフ・ウィットラム首相を解任したが、その後のオーストラリア政府はアメリカの完全な操り人形。その役割をアボットは必死に果たそうとしたのだろう。
そうしたオーストラリア首相はともかく、G20に参加する国々の首脳に対しては少なからぬ影響を今回の衛星写真は及ぼす可能性は小さくない。嘘を取り繕うために嘘をつくという悪循環は自らの首を絞めることにもなる。すでにドル離れが世界的に起こりはじめている現在、アメリカにとっては嫌な流れだ。
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